知財管理vol.65 No.3 397頁に「判例と実務シリーズ:No.444 写真素材の二次利用可能範囲」が掲載されました。
本原稿は、知財高判平成25年12月25日 平成25年(ネ)第10076号 著作権侵害等請求控訴事件を評釈した上で、実務的に注意すべき点について論じたものです。
出版等のために、写真等の著作物の制作を依頼した際、書面による契約を交わさないまま当該著作物について第三者に許諾するなどの二次利用を行った場合に、黙示の同意による包括的な利用許諾が認められ、複製権侵害等の著作権侵害とならない場合がありますが、その許諾が認められる範囲は事実関係により大きく異なります。
本判決は、書面による契約がないまま写真素材の二次利用が行われた事案に関する事例判断ですが、包括的な利用許諾の範囲に関する判断が地裁知財高裁で異なるという意味で興味深い事案です。
また、契約なしに写真素材等の著作物を二次利用することは法的リスクが高いことは本判決からも明らかですが、実務的に契約書が締結されない分野もやはりあり、そのような中で実務的にどのように対応すべきかについても検討しています。