放送と通信の融合についての法制見直し

2009年8月20日付日経新聞朝刊で「放送・通信法制へ法制見直し」として取り上げられていた「通信・放送の総合的な法体系の在り方<平成20年諮問第14号>答申」が公表されています。

ここ数年来、放送と通信の融合の問題はいろいろな側面から議論となっていますが、法制度としては厳格に区別されており、事業活動の上でも様々な制約があります。

ITProの連載でも「情報通信法(仮)」として平成19年(2007年)当時取り上げたことがあります。


(1)放送類似コンテンツは放送規制の枠組みが妥当
(2)批判招いたメディアサービスの曖昧さ

「情報通信法(仮)」として議論されていた頃に、批判が強かったコンテンツ規律については、下記のとおりの答申内容で、基本的に現状維持ということになったようです。

他方、インターネットによる一斉同報等の放送に類似した通信を、放送とともに「メディアサービス」(仮称)としてコンテンツ規律の対象とすることに対しては、昨夏に実施した意見招請においても、昨秋に実施した関係事業者等からの意見聴取においても、批判的意見や慎重な意見が多く、これまでの考え方を変えるに至るまでの必要性は認められない。
そのため、今般の新たな法体系においては、「メディアサービス」の範囲をいわゆる従来の「放送」に止め、その概念・名称を維持することとし、公然性を有する通信コンテンツのうち違法な情報及び有害情報については、まずはプロバイダ責任制限法、青少年インターネット環境整備法等により、引き続き、対応することが適当である。

現行のプロバイダ責任制限法が有効に機能しているかというと疑問ですが、情報通信法のような枠組みよりはましかもしれません。